私がアメリカで留学を始めた、かれこれ15年前の話。
留学当初の私は、「英語が話せる」と思っていた。だって中3の時に英検を2級持っていて、日本のクラスメートの中では「英語ができるヤツ」だったから・・・。
高校一年生で渡米して、一週間も経たない頃。私は日本人数名とワシントン州のマクドナルドにいた。一人ずつメニューを指さしながら注文していく。
「コーラ」は「Coke (コーク)」、「ポテトフライ」が「Fries (フライズ)」と言うのは事前に勉強済みだった。
そして私の番が来たとき、巧みな英語 (当時は自分の発音がヒドかったことを知らない) で「フィレオフィッシュ セット & コーラ」を頼んだ。
フィレオフィッシュとコーラの発音は練習してきた。自分の英語で、現地人とコミュニケーションをする。。。全く英語が喋れない友人たちを前にし、自分のエゴが高まる。
マック店員:「セット?」
自分:「Yes, Filet-O-Fish Set with Coke」
マック店員:「セット?」
自分:「Yes!!!」
相手も納得した様子で、支払いも完了。なぜかこの時の私は優越感に浸っていた。だって、今まで出会ったことないアメリカ人に注文ができたのだ。しかも一人で!!
友達たちと一緒に、自分のオーダーが出てくるのを待つ。
しかし、数分後、私はとんでもない光景を目にした。
なんと、フィレオフィッシュが6個出てきたのだ。
私は混乱した。
店員に駆け寄り、「私はフィレオフィッシュのセットを頼んだんだけど?」と言ってみた。すると店員は言う。「You said “six”」と。。。
どうも「Set (セット)」が「Six (6個)」と解釈されてしまったらしい。
その時、私はプライドの全てを失った。
今思えば、あの段階で赤っ恥をかいたのは教訓だった。
日本語の「セット」は、英語では「Combo (コンボ)」と言う。それを私は知らず、現地の人に何回も「Set」を連呼していたのだ。
もちろん、出来たてのバーガーを返品はできない。
私は目の前の6つのバーガーのうち、一つを食べて、残りを友人たちに配った。もちろん、請求はしなかった。
あの時、友人たちが何も言わずに受け取ってくれたことに、私は今でも感謝している。
コメント